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台湾ヒップホップのMVP「KAO!INC」、いよいよ来週に迫った待望の来日公演にゲストが決定!

台湾ヒップホップのMVP「KAO!INC」初の単独来日ツアーにJABBERLOOPのスペシャルゲスト出演(東京のみ)が急遽決定いたしました。 是非、この歴史的ステージをお見逃し無く!また、ウェブサイト『bmr』の編集長丸屋九兵衛様より「台湾は、知られざるヒップホップ大国だ。」紹介文から頂きました!いまでも遅くない!ぜひ台湾のヒップホップの世界へ。

KAO!INC.のこと
文/丸屋九兵衛 QB Maruya(bmr)

台湾は、知られざるヒップホップ大国だ。

台北市内の夜市(ナイトマーケット)にスリー6マフィアのポスターが多数貼り出されていたり。
ヒップホップの知識に飢えるあまり、『XXL』や『The Source』といった米雑誌のみならず、日本の『bmr』まで輸入して販売するレコード屋があったり。
そして、日本がダンスを必修科目にする前から、駅の地下道にダンス練習用の鏡張りスペースを設け、「夜は大きな音を出しちゃダメよ」と学生たちに優しく諭したり。
それが台湾である。

わたし丸屋九兵衛は主にアメリカのヒップホップ/R&Bを扱う(雑誌改め)ウェブサイト『bmr』の編集長だが、いつしか台湾のヒップホップに惹かれるようになった。
そんな台湾ヒップホップ・シーンというものをわたしに教えてくれたレーベルがKAO!INC.であり、初めて出会った台湾人ラッパーがSOFT LIPA(蛋堡)だ。「大手レコード会社の社長やプロデューサーはみんな、若い頃にロックバンドをやってた人ばかり。だからロックに力を入れる」という状況の中、現在の台湾ヒップホップの盛り上がりを実現したMVPとも呼ぶべき存在。それがKAO!INC.であり、SOFT LIPAだと言っていいだろう。


■SOFT LIPA 蛋堡(ダンバオ)
自らのプロデュースで作り上げるメロウでジャジーなサウンドに、飄々としたラップ。そんな作風でヒップホップ界に新境地を切り開いたSOFT LIPAは、これまでにコラボレーション作を含めて6作のアルバム/EPを発表しているKAO!INC.のエース的存在だ。2013年、台湾アディダスのCMで台湾版“Walk This Way”をパフォームしたことも、まだ記憶に新しい。
今のところの最新作である2枚組大作『你所不知道的杜振熙之內部整修』からのシングル“史詩”のビデオは、台湾を代表するラッパーたち(MC HOTDOGや大支、MJ116等々、とにかく多数)が続々と登場してSOFT LIPAの代わりにリップシンク、本人は最後の20秒ほどでやっと登場!という豪華にしてイキなものになっている。
JABBERLOOP、Blu-Swing、ShinSight Trioら日本勢との共演も多い。中でも、1枚丸ごと彼と共演したコラボレート・アルバム『月光』(日本タイトルは『経典!』)をリリースしたJABBERLOOPは、台北のライブ会場(日本の有名アイドルたちが数組出演するイベントが開催される規模)でギグを行なうほどの人気を獲得している。


■李英宏 YINGHUNG aka DJ Didilong(インホン/DJディディロン)
デラ社長曰く「韓流スターの顔に、台湾のソウル!」。韓流顔がどうかはともかくとして、モデル/俳優的な男前ではある。実際、そのマスクを活かして映画にも出演しているのだ。
そんなインホン aka ディディロンは17歳にして大手レコード会社からグループの一員としてデビューした神童だった……が、早くに引退。その後、紆余曲折を経てKAO!INC.からソロラッパーとして再デビューした変わり種だ。
2016年に出たソロデビュー・アルバム『台北直直撞』のタイトル曲(台北ディディロン)は、どこをどう聞いてもZAPP/ロジャー・トラウトマンなサウンドに、けだるい歌ラップが乗るという衝撃的な一発! ぜひ生で見てみたいアーティストだ。


■國蛋 GORDON(ゴードン)
デラ社長曰く「SOFT LIPAがレーベルの表の顔なら、GORDONは裏の顔!」
そんなGORDONはSOFT LIPAの高校の後輩で、台湾大学を卒業後、ニューヨークに留学していた秀才。だからだろうか、人は彼を「ドクター・ペイパー」と呼ぶ(なんのための紙なのかは書きますまい……)。
これまでにアルバムとEPを合わせ5作を発表している。特に、ドクター・ペッパーそっくりのロゴをあしらっストリート・アルバム(ミックステープ名義)のCDケースは特殊仕様となっており、ある種の紙がアタッチされていたりする(なんのための紙なのかは書きますまい……)。
アンダーグラウンド・キング」とも呼ばれる、彼の弛緩したフロウを生体験せよ!


■夜貓組 YEEMAO(イェマウツー)
ソロアクトばかりのKAO!INC.で唯一のヒップホップ・デュオ、それがYEEMAO。クレイジーキャットこと「春艷(チュンイェン)」と、サイコキャットこと「LEO王(リオ・ワン)」からなる二人組だ。「二人ともステレオタイプなラッパー像から外れた存在。ある意味で邪道」とも語るデラ社長は、その実、今のラップシーンに大変革をもたらす可能性を、このデュオに期待しているのだ。


■DELA 迪拉胖(デラ)
顏社 KAO!INC.のヒップホップ臭を、いやが上にも盛り上げるのは名物社長DELAの存在だ。だって、ヒップホップ・レーベルがヒップホップ・レーベルらしくあるためには、名物エグゼクティブが必要だろ?
今でこそ「デラ」と名乗っているが、本来は「デラファット」。De La Soulが好きだが、Soulの音は「痩」に近い。しかし自分の体格は逆なのでfatで……という発想らしい。
料理と写真を趣味とし、英語の会話に関西弁を挟んだりする抜群のキャラクター。昨年なぜか神奈川県で神前結婚式を挙げたほどの日本びいきでもあり、時おり人知れず日本各地を鉄道で旅している。
日本と台湾のCD価格の差にBMI(Big Mac Index=ビッグマックの価格で「生活感覚としての物価」を比較する数値)を当てはめるなど、ダウン・トゥ・アースな知性も光る。最高のヒップホップ・ビジネスマンだ。

■余談
KAO!INC.のオフィスは台北市内の表玄関、松山(ソンシャン)空港の近くにある。「この立地を選んだのは代官山っぽいから」とデラ社長は語ったものだ。
わたしが初めて同社を訪ねたときは、1階奥にはレコーディング室が設けられていた。映画『ハッスル&フロウ』を参考にしたのか、卵ケースを敷き詰めたような防音壁の。だが、今や社屋の1階は「BEANS & BEATS」というカフェになっている。……レコーディング・ブースはどうなったのだ?

KAO!INC★KAO!INC.ワールドツアー日本公演
2017/12/15(金)東京 原宿アストロホール
OPEN 18:30 / START 19:00

2017/12/18(月)大阪 OSAKA MUSE
OPEN 18:30 / START 19:00

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