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SUPERSONIC LIVE REPORT公開!

素晴らしいステージを観せてくれたアーティスト達のLIVE REPORTを公開しました。

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SUPERSONICを終えて

無念の延期から1年の時を経て、2021年9月18日(土)、19日(日)、ZOZOマリンスタジアムにて「SUPERSONIC 2021」が開催された。

いまだ世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が続くものの、欧米では大規模野外フェスティバルが今夏より再開。音楽の力が人々の笑顔を取り戻す中、今回、日本でも約1年半ぶりに海外アーティストを招聘してのフェスとあって大きな注目を集めると同時に全国の音楽ファンからは多くの喜びの声が。

しかし、なかなか収まることのない緊急事態宣言などにより一時は開催の是非さえも問われたが、不安視する声にも真摯に耳を傾けながら、エンターテインメントの未来、さらにはファンの熱意に応えるべく改めて感染対策を徹底的に見直し、新たな施策を盛り込んだ上で、当初予定していた大阪公演は見合わせ、東京のみに限定し開催。

チケットの販売は、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置期間中のイベント開催規定を遵守。そして、来場者に対しては開催前から健康確認・体調管理を促し、厚生労働省新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」とSUPERSONIC公式アプリのインストール・本人登録を必須に。さらには公式アプリ上で「新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」と「スーパーソニックに関する注意事項」を周知し、開催日当日の体温や体調の確認を行う問診票の記入を義務化。その上で入場の際には手指の消毒から検温、手荷物チェックで酒類の持ち込みを防ぎ、来場者全員にSUPERSONICオリジナルの不織布マスクとマスクケースを配布。

感染対策は入場時だけに留まらず、会場内でもステージ上の大型モニターや至るところに張り紙で「マスクの正しい着用」、「フィジカルディスタンス」、「こまめな消毒・手洗い」、「大声・歓声禁止」などを注意喚起。同時にスタッフもハンドマイクで終始呼びかけ、マスクを正しく着用していない方や不織布以外のマスクをしている方、その他感染拡大に繋がる行為をしている来場者に逐一スタッフが注意するという徹底ぶり。その他にも飲食テーブルには黙食の立て札が設置され、会場内のあらゆる場所に消毒液を用意。また、グッズ・飲食物の購入は全て非接触での対応を可能にし、当然酒類の販売もなし。さらにはスタッフが定期的に手すりや椅子など人々が触れる可能性がある部分を1つ1つ消毒。

ライブ鑑賞にあたってもアリーナにはフィジカルディスタンスが保たれるように間隔を空けて椅子が並べられ、各アーティストのステージが終了するたびにオーディエンスの移動をスタッフが統制。そして、会場外でも駅からの道のりにスタッフを配備し、終日直行・直帰を訴えるなど、考えうるあらゆる対策が施された上で実施された「SUPERSONIC 2021」。初日となる18日(土)は日本に台風14号が上陸し、あいにくの天候となったが、それでもオープン1時間以上前から長蛇の列が。しかも、そこでも来場者たちはフィジカルディスタンスの距離を示す白線に沿って並び、なおかつ開催前の湧き上がる気持ちを抑え、静かに入場を待つなど感染対策への意識は十分。

初日はBE:FIRST、SKY-HI、どんぐりず、石野卓球ら国内勢に加え、AURORA、Clean Bandit、Alan Walker、ZEDDが登場。天候が回復した2日目にはNiziU、きゃりーぱみゅぱみゅ、Perfume、そしてDigitalism、R3HAB、STEVE AOKIが出演し、さらにはSTEVE AOKI、ZEDD、Alan Walkerがこの日限りのスペシャルB2Bセッションを披露。2日間に渡って素晴らしいステージが繰り広げられるなか、オーディエンスは終始歓声を拍手に変え、フィジカルディスタンスを保ちながら踊り楽しむ、今までにない形となったが、それでも終演後には誰もが笑顔に。

新型コロナウイルスによって1年以上止まっていた時間が動き出し、日本のエンターテインメントもようやくリスタート。再興に向け、徹底した感染対策を講じて輝かしい第一歩を踏み出すことができたが、その道のりはまだ始まったばかり。今後も試行錯誤を重ね、目指すは1年後の「SUMMER SONIC 2022」。新たな時代のエンターテインメントに期待したい。

Text by 杉山忠之

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