15. Isn't It Time (今がその時)
6月4日にリリースされたニュー・アルバム『神の創りし ラジオ(That's Why God Made the Radio)』収録のこれまたラ ジオ・フレンドリーな佳曲。アルバム・タイトル曲を書いたブライア ン・ウィルソン、ジョー・トーマス、ラリー・ミラス、ジム・ピート リックにマイク・ラヴが加わった4人の共作。スミスとピート リックは「ヴィークル」(70年、2位)のヒットで知られ るアイズ・オブ・マーチの元メンバーであり、ピートリックはその後、 結成したサヴァイヴァーで放った全米NO.1ヒット「アイズ・オ ブ・タイガー」(82年)の作者でもある。5月28日 のサンタ・バーバラ公演で初披露され、レコードではピートリックが弾 いていたウクレレをこのツアーではスコット・トッテンが担当。

16. Why Do Fools Fall in Love (恋はくせもの)
オリジナルは、1956年にヒット(全米6位、R&B チャート1位)したフランキー・ライモン&ザ・ティーンエイ ジャース。ビーチ・ボーイズのヴァージョンは1964年のヒット・ シングル「ファン・ファン・ファン」(5位)のB面に収め られ、120位にランクされた。当時、「サーフ・ロマンス」、 「渚のロマンス」という邦題も付けられていた。1964年の 5枚目のアルバム『シャット・ダウンVol.2』に収録。ゲイル・ス トーム、ダイアモンズ、フォー・シーズンズ、ハプニングス、ダイア ナ・ロス(81年、7位)、ジョニ・ミッチェル、ケニー・ ランキンほか多くのカヴァーがあり、テリー・メルチャーがリード・ ヴォーカルを担当したカリフォルニア・ミュージック1975年のシ ングルはブライアンのプロデュースだった。

17. When I Grow Up (to Be a Man)(パンチで行こう)
ブライアンとマイクの共作。NO.1ヒットとなった前作「アイ・ ゲット・アラウンド」に続くシングルとして、1964年8月 にリリースされ、全米9位のヒットを記録、翌年のアルバム 『トゥデイ』に収録された。マイクのリード・ヴォーカルとブライアン の美しいファルセットのコンビネーションが見事!コーラスは、 14歳から31歳までひとつずつ増えていくという趣向。因みに当時 ブライアン(22歳)、マイク(23歳)。64年に「平 凡パンチ」が創刊され、大きな話題になったことが謎の邦題命名のヒン トとなったとも言われている。そう言えば、東京オリンピックが開催さ れた同年、「恋のウルトラC」(ジョニー・ティロットソン)、「恋の ウェイトリフティング」(サンディ・ショー)等の珍邦題が流行って? いた。

18. Cotton Fields(コットンフィールズ)
原曲はレッド・ベリーの名で知られるハディ・レッドベターが作った フォーク・ソング。ビーチ・ボーイズの初期ヴァージョンは1969 年のアルバム『20/20』に収録。70年5月にキャピト ルでのラスト・シングルとして発売されたシングル・ヴァージョンは、 レッド・ローズ(バック・オーウェンズ・バッカルーズ~ファースト・ ナショナル・バンド)のペダル・スティールをフィーチャー、よりカン トリー・ロックなアレンジが施されていた。アメリカでは103位 と奮わなかったが、同年7月、全英では3位まで上がるヒッ トとなり、オーストラリア、スウェーデン、ノルウェイ、南アフリカで は軒並首位を獲得。リード・ヴォーカルはアル・ジャーディン。最初に ヒットさせたのはハイウェイメン(62年、13位)だがハ リー・ベラフォンテ、バック・オーウェンズ、クリーデンス・クリア ウォーター・リヴァイヴァルほか多くのカヴァーがある。

19. Be True to Your School(ビー・トゥルー・トゥ・ユア・スクー ル)
ブライアン、マイク共作。1963年、「サーファー・ガール」に 続く、キャピトルでの5枚目シングルとして発売され、全米 6位まで上昇。アルバム『リトル・デュース・クーペ』収録ヴァージョ ンとは別録音のシングルは、ハニーズのチアーリーディング・チャント や鼓笛隊が入っている。75年のパパ・ドゥ・ラン・ランのシング ルはブルース・ジョンストンのプロデュースだった。

20. Ballad of Ole' Betsy(バラード・オブ・オール・ベッツィ)
ブライアン・ウィルソン、ロジャー・クリスチャン共作。『リトル・ デュース・クーペ』収録。中古になった愛車フォード1932年型 クーペをベッツィという名の女性に見立てて歌われる美しいバラード作 品。最後のフォー・フレッシュメン風コーラスも素晴らしい。