06年に高校を卒業した彼らは、高校生活のほとんどの時間をALL TIME LOWとしてのサウンド作ること、ライヴを強化すること、レコーディングの経験を積むことに費やした。そして高校最後の年を終えるときには、HOPELESS/SUB CITY RECORDSからデビュー作「PUT UP OR SHUT UP」EPをリリースできるほどの才能と知識を手にしていたのだ。メロディー満載で勢いのある "Coffee Shop Soundtrack" で始まるこの作品は、リスナーを彼らの世界に一気に引き込み、コーラスが印象的な "Break Out! Break Out!"、ゆらゆらとワルツのような雰囲気の "Lullabies"、素晴らしいヴォーカル・ハーモニーを披露する "The Girl's A Straight-Up Hustler" へと続いて行く。 リード・ヴォーカルのAlex GaskarthとギターのJack Barakatの2人が、BLINK-182、GREEN DAYのようなバンドに刺激を受けたのが、3年前、ALL TIME LOWはそのときに結成された。ドラムのRian DawsonとベースのがZack Merrickが合流すると、ALL TIME LOWのサウンドに更なる磨きがかかった。 『僕らは、ずっとそれが目標だったから、いつもポップ・パンクをプレイしていたんだ』と、Alexは後にもこう続けた。 『バンド活動をやっていく中でスタイルが大きく変わることはなかったけど、ここ数年でミュージシャンとして成長したし、成熟してきた』 結成当初、彼らの地元バルチモアでの活動は、バンドを認知してもらうため、また経験を積むためにクラブでインストの演奏をするのみというものだった。Alexいわく『バルチモアには本当に素晴らしいクラブがいくつかあって、どこも若くて新しいバンドに演奏するチャンスを与えてくれているんだ』その若くて新しいバンドというのは、MOTION CITY SOUNDTRACK、THE EARLY NOVEMBER、THE ACADEMY IS...、ACCEPTANCE、GYM CLASS HEROES、CARTELなどのことを指している。 高校時代、春休みや夏休みを使って、東海岸と南部のいくつかの州をツアーしたALL TIME LOWは、そこで貴重な経験を積むことができた。ツアーを経験できただけでなく、自主制作だった2枚の作品 (04年の4曲入りEPと05年フル・アルバム「THE PARTY SCENE」) を地元のレーベルEMERALD MOON RECORDSからリリースしている。 彼らが対バンしたバンドの中に現在のレーベル・メイト、AMBER PACIFICがいる。このHOPELESS RECORDSに所属するバンドと出会ったのがきっかけとなり、ALL TIME LOWの音源がHOPELESSのスタッフの手に渡ることになる。紹介を受けたレーベルは、音源を聴くなり彼らの音楽に興味を持ち、即座に契約を結ぶことになったのだ。これは彼ら自身が06年の後半にアルバムの制作を計画していたので、絶好のタイミングだと言えた。 そしてALL TIME LOWのライヴには、たくさんのファンが集まってくる。Alexはそれをパーティーのようだと言う。『放尿、ケツ出し、ゲロ吐きも、それほど珍しくないよ。CDとまったく同じようにライヴで演奏する気はないんだ。ステージ上で演劇のように色々なものを生み出していくんだよ。会場全体がパーティーみたいになるようにね。僕たちは皆の友達になりたいのさ。だからどんなことでもポジティブにとらえて楽しく過ごす。僕たちはパーティーに来たんだ!って感じでね』 高校を卒業して間もない若い4人組なのだが、大変であるとともに大きなチャンスを手にし、音楽のリアルな世界に飛び込んだことについてAlexはこう答えた。『ゆっくりとだけど...確実に夢に向かって進んでいるよ』